SIerってどんな仕事をするのかな?
自分に向いてるのか分からない…
仕事のイメージが湧きにくいですよね!
現役SEがSIerについて語ります!
この記事ではSIerで働く筆者がSIerのやりがいについて解説します。
「SIerって名前は聞いたことがあるけど、どんな仕事をするの?」という方は少なくないと思われます。私自身もSEとして現在の会社へ就職するまでどんな仕事をするのかよく分かりませんでした。実際に働いてから「こんな仕事もするんだ!」気づいたことや学んだことも多くあります。
この記事では現在SIerで働いている筆者がSIerの仕事、やりがい、大変なことについて解説します。IT系に詳しくない方に向けて書いた記事なのでこれからSIerに就職したいという方はぜひ参考にしてみて下さい。
本記事の内容/この記事はこんな人にオススメ
SIerとは
SIerの種類
SIerはユーザー系、メーカー系、独立系の3つのタイプに分類されます。各タイプの特徴や代表的な会社について図でまとめました。
業務内容や特徴はタイプによって異なりますがこの記事ではSIer全般に共通する事柄について紹介します。
SIerの仕事
SIerはシステム開発に関する業務全般を行います。 例えば、次のような業務を行うことが多いです。
・実現したいシステムの要望を顧客から調査する
・要望を受けたシステムを開発する
・システムに不備がないかテストを行う
・本番リリース・保守点検を行う
このようにSIerでは広範囲の業務を行います。よくプログラマーと混合されることがありますが、プログラマーはシステム開発のうちプログラムの実装を専門とする要員のことを指します。また、具体的な業務内容について別の記事でまとめたため興味のある方は参考にしてみて下さい。
SIerのやりがい
プロジェクトを達成したとき
SIerでの業務は主にプロジェクトという単位で構成されます。 プロジェクトの例として「ホームページを改修する」や「新しい通販サイトを立ち上げる」といったものがあります。 プロジェクトの期間は様々で2、3年かかるものも存在します。 私は期間が2年間のプロジェクトに参画した経験がありますが、完了したときの感動を今でも覚えています。 様々な困難やトラブルを乗り越えて完了するとより感動も大きくなります。
大規模なプロジェクトの例にみずほ銀行のシステム統合があります。勘定系システムを統合させるプロジェクトで8年もの時間を要して4000億円をかけて完成しました。史上最大のスケールと言ってもいいほど大規模なプロジェクトで非常に壮大です。どのようにプロジェクトが進んだのかがまとめられた本も出版されているので興味があれば読んでみて下さい。
イメージ通りに実装・テストができたとき
プロジェクトの工程にはプログラムを実装したり、不備がないかを検証するテストを行います。 これが中々うまくいかず想定しないエラーが発生したりうまくプログラムを書けないといったことがよくあります。 その中でもたまにイメージ通りのプログラムをかけたり自分の考えたロジックが正しいと判明したときには充実感を覚えます。
入社してすぐにイメージ通りプログラミングをすることは難しいです。しかし、「こうすればいいかな?」という感覚が少しずつ身につくため最初のうちは焦らなくても問題ないです。もしこれからSIerに就職、転職したいという方は下記サイトよりアルゴリズムの勉強をしてみることをオススメします。
ユーザに感謝されたとき
プロジェクトが完了し、お客様へ報告するときはとてもやりがいを感じます。「誰かの役に立っている」という実感はとても嬉しくモチベーションも高まります。 もちろん、うまくいくときばかりではありません。トラブルが発生して叱られることもあります。 うまくいかないことがあるからこそ、無事に完了した際は自信が得られますしお客様へ役立ててもらえたという気持ちが生まれます。
チームの役に立てたと実感できたとき
一緒に働いているチームメンバーの役に立てたときも非常に嬉しいです。入社してすぐの場合は備品の発注や議事録の作成などをよく行います。 間接的な作業なので中々評価されませんが、見ている人は見てくれています。 「いつも頑張っているね」であったり「チームに必要な存在」という言葉をかけてもらえるともっと頑張ろうという気持ちになれます。
難易度の高いトラブルに対処できたとき
トラブルは発生してほしくないことですが、よく発生します。 それも「なんで今日に限ってトラブルが起こるんだ」という日に起こることが多いです。 簡単なものならすぐ対処できますが、原因が複雑で中々対処できないこともあります。 そのときに粘り強く原因を探して一つ一つ解決することで復旧できた際は達成感を味わうことができます。
また、経験を重ねるたびに同じようなトラブルに対処することができるようになります。 難しい問題を解いた際の爽快感に似ています。はじめの内は先輩に頼りながら解決しますが、時間が経てば自分一人でも対処できるトラブルが増えていきます。
スキルが向上していると実感できたとき
SIerで働くためにはプログラムをはじめとする様々なスキルが要求されます。 また、最新の技術についても知っておく必要があり日々勉強する必要があります。 そのため、1年前はできなかったけど今ならできると実感することが多いです。 入社する前と入社した後ではITに関する知識も技術も格段に向上したと感じています。
もしIT系の企業に就職・転職したいという方はこちらの記事にオススメの勉強法をまとめたのでよければ参考にしてみて下さい!
自身の手掛けた仕事が世の中にあると感じるとき
「自分が関わったプロジェクトが世の中に存在している」とふとしたときに考えます。 例えば、休みの日に外出していて「この商品は以前関わったプロジェクトと関係あるな」と思うときがあります。 一人ができる仕事量には限界がありますが、「私も小さい力ながら社会を支えている」と思える瞬間はやりがいを感じます。
大変なこと
リリース前は激務になりがち
システム開発を行い本番環境へ移行(リリース)する直前は非常に忙しくなる傾向にあります。 「検証テストにケース漏れがあるため追加でテストする」や「予期しないトラブルが発生したため追加で対応する」といったことがよくあります。 そのため、残業時間の上限ギリギリまで仕事をしなければならず体調を崩してしまう恐れがあります。 普段から体調管理と作業量の調整を行う能力が問われます。
システム障害、トラブル対応に追われる
SIerで働く人にとってトラブル対応は避けては通れません。「ホームページが突然見れなくなった」であったり「必要なデータが登録されていないから確認してほしい」といったトラブルが頻発します。 しかも、通常業務と並行してこれらのトラブルへ対応しなければなりません。 そのため、余裕をもったスケジュール管理とトラブルへ冷静に対処する能力が求められます。
メンバーが頻繁に変わりやすい
プロジェクトではチームのメンバーと共に働きますが、プロジェクトが終われば別のメンバーと働くことになります。 また、異動やパートナー社員の帰社などで今まで一緒に働いていた人と離れ離れになってしまうことがよくあります。 仲良くなった人と共に働けなくなることは寂しいですし、新しく人間関係を築くことも簡単なことではありません。(配属場所によっては同じメンバーと働き続けるケースもあります。)
システム担当者は責任が重い
入社してしばらく経てばシステムの担当者になることがあります。一般的に担当者になった場合は責任・仕事量ともに増加します。例えば、休日に電話がかかってきて障害対応に追われたりプロジェクトマネジャーとしてメンバーを管理したりすることになります。技術的な能力に加えて、管理職としての能力も必要になるため常に新しい分野の勉強をする必要があります。
進捗管理が難しい
プロジェクトの管理を行うときによくあるのですが、当初の予定通りに物事が運ぶことは少ないです。 大抵トラブルが発生したり人員が少なくなったりして予定通りに進めることが困難になります。 しかし、納期は基本的に後伸ばしにできないためスケジュールを決める際にはトラブルを想定した上で予定を組み立てる必要があります。 また、予定を立てる際には必要な作業とかかる時間を正確に見積もらなければいけません。
こんな人にオススメ
論理的に考えることが好きな人
プログラムの設計を行う際に、感情的ではなく論理的な思考が求められます。 例えば、「ログインする人に応じて別々の画面を表示させたい」といった場合にどのような設計をしないといけないのかを考えたりすることがあります。 その際に様々な方法の中から合理的なロジックを組み立てる必要があるため論理的に考えることが好きな人に向いていると言えます。
コミュニケーション能力が高い人
IT系(特にプログラミング)は一人でコツコツするイメージを持たれる方が多いですが、実際にはチームで働くことがほとんどです。 そのため、自分の意見を正確に伝えたり相手の主張の意図を正確に汲み取る能力が求められます。 人と一緒に働くのが好きだったり自分の考えを整理して相手へ伝えることが得意な人はSIerで求められる人材です。
ITスキルに興味・関心の高い人
ITスキルは日々進歩し、常に新しい知識へアップデートする必要があります。 そのため、IT系に興味・関心がなければ勉強すること自体が苦痛になり知識の習得が困難になります。 「このゲームってどんなプログラムで動いているのかな?」や「Amazonの注文ってどうゆうシステムで成り立っているのかな」といったようにIT全般の興味・関心が求められます。
IT系の企業に勤めている人は、家でもプログラミングをやったり資格の勉強に熱心な人が少なくありません。仕事として割り切るという働き方よりも、趣味の延長線上として働いている状態でないと続けることは難しいかもしれません。
おわりに
SIerの仕事についてご紹介してきました。一般的にSIerはしんどい、辛いというイメージがありますが、やりがいもたくさんあります。この記事を読んでみて「面白そう」「興味が湧いてきた」と思われた方は就職や転職の際の参考にしてみて下さい。最後までお読み頂きありがとうございました!